夕刊フジ 2018年12月13日付は、
北野幸伯著『日本の生き筋-家族大切主義が日本を救う』の書評を掲載した。
以下転載。


●『日本の生き筋-家族大切主義が日本を救う』 北野幸伯著  

 四書五経の一つ「大学」は「修身、斉家、治国、平天下」と説いた。天下が平和であるにはまず国が統治され、さらに家庭が円満でなければならない、と。だが現在の日本はどうか。長時間勤務が常態化した労働環境の影響で家庭は荒廃し、子育ては難しく、熟年離婚も深刻化。少子高齢化が進む暗黒の未来予想が定着するなか、果たして明るい方向にイメージを転換させる具体策はあるのか。その策を堂々と、メールマガジン調のソフトな表現で提示したのが本書である。
 日本が導入すべきなのは「ドイツ型働き方改革」。子供を3人産んだ家庭には「住宅購入ローンを国が肩代わり」。農業振興と育児に効果がある策として「公立の学校で和食の朝給食を導入すべし」など。特に住宅購入の補助は、ロシアで合計特殊出生率が飛躍的に高まった実証済みの方策だ。著者が示した数々の提案により、読後には日本の未来に希望を持てるようになるだろう。