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【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.102
2021/8/2
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★中国がアメリカに提示した【レッドライン】とは?
全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
7月25日、26日、アメリカのシャーマン国務副長官が、
中国を訪問しました。
中国は、シャーマンさんに、アメリカが超えてはいけない
【 レッドライン 】を提示しました。
いったい、中国にとっての【レッドライン】とは、
何なのでしょうか?
現代ビジネス8月2日付で、中国から日本に帰化した
石平さんが解説してくださっています。
「レッドライン」は、三つあります。
<王外相は案の定、新疆・香港・台湾に触れて、
それらの問題が中国の内政問題だと主張した。
こうした上で王外相が「3つの基本要求」の1つとして、
「中国の国家主権を侵犯したり、
領土保全を損なってはならない」
とアメリカ側に求めた。
中国側がアメリカに対してこのような要求を
出したこと自体は特に意外でもない。>
「新疆、香港、台湾問題に干渉するな!」ということですね。
香港は、残念ながら「もはや干渉不可能なレベル」まで
自由がなくなってしまいました。
しかし、新疆ウイグル自治区の問題を
干渉しないわけにはいかないでしょう。
なんといっても、
・100万人が強制収容所にいて、
・ウイグル人女性は、不妊手術を強制され、
・事実上の、民族大量虐殺(ジェノサイド)
が行われているのですから。
それと、台湾問題も放置できないでしょう。
台湾は、すでに事実上の民主主義国家で、
アメリカはこれを見捨てることができません。
日本にとっても同様です。
とはいえ、これらについて、中国が「内政干渉するな!」
というのは、「毎度のこと」。
意外ではありません。
しかし、石平さんには、「順番が意外だった」のです。
<意外なのはむしろ、自国の「核心的利益」に関わる上述
の諸問題に関して、王外相の出した要求は実は「3つの基
本要求」の3番目となっていて、最後に出てきていること
である。>(同上)
たしかに、「新疆、香港、台湾」は、中国の「核心的利益」です。
(普段は、「南シナ海」「尖閣」も「核心的利益」と
トンデモ主張をしているが。)
でも、重要度は3番目。
ということは、「核心的利益より大事なこと」があるのですね。
それは、何でしょうか?
<2番目に出されている「基本要求」は「中国の発展を
妨害してはならない」である。
王外相はここで、アメリカの中国に対する制裁関税や技術
封鎖などを持ち出して、それらの制裁・封鎖措置の即時解
除を要求した。
要するに中国側は、中国の経済発展や技術の向上を
妨害しないことを「3大要求」の1つとしてアメリカに求めた
わけである。>(同上)
「中国の発展を妨害するな!」だそうです。
経済制裁を科したり、関税を引き上げたり、
ファーウェイの営業を邪魔するなと。
難しいですね。
「米中覇権戦争」の中で、「経済戦争」「技術戦争」は重要です。
それで、バイデンになっても、
アメリカの態度は和らいでいません。
では、一番目のレッドラインは何なのでしょうか?
<「アメリカは中国の特色ある社会主義の道と制度を
挑戦したりその転覆を試みしてはならない」
とは、まさに王外相が米国側に対して突きつけた「3つの
基本要求」の筆頭であって、最重要な項目である。
それをより分かりやすい表現で言い換えれば、
王外相はここでは要するに、
中国共産党一党独裁の「社会主義体制」の転覆を試みては
ならないことを、アメリカに強く要求したのである。>
(同上)
「中国が共産党の一党独裁体制の転覆を試みるな!」
だそうです。
ひと昔前まで、「中国は経済発展すれば、
自然と民主的になっていく」
などと「寝言」をいっている人がたくさんいました。
しかし、彼らは、「共産党の一党独裁体制」こそが、
守るべき「もっとも重要なもの」と主張しているのです。
つまり、「民主主義国家になる気は、さらさらないよ!」と。
とはいえ、ポンペオさんとは違い、
バイデンさんは、「共産党の一党独裁体制を打倒しよう」
とは思っていないでしょう。
体制そのものより、「結果」が問題なのです。
具体的には、
・「尖閣は中国固有の領土」という「トンデモ主張」
・「南シナ海は全部中国のもの」という「トンデモ主張」
・ウイグル人をジェノサイドしていること
・香港から自由を完全に奪ったこと
・台湾を武力を使っても併合すると宣言していること
・インドの領土を奪おうとしていること
・サイバー攻撃
・技術の窃盗
これらの悪事をしなくなれば、
中国が共産党の一党独裁だろうが、
私たちには関係のないことです。
ですが、歴史は、
「一党独裁体制には永続性がない」ことを示しています。
昔、ソ連を筆頭に、「共産党の一党独裁国家」は、
山ほどありました。
しかし今は、中国、北朝鮮、ベトナム、キューバなど、
わずかに残っているだけです。
アメリカが中国の一党独裁体制を崩壊させようとしなくても、
ソ連がそうだったように、勝手に自壊にむかうでしょう。
@今回のネタ元はこちら。↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/fc6af2f87e5671ffda0b15f54b6c2e0ec2a8e3e8
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