【裏】RPEJournal=======================================
【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.13
2020/4/26
=======================================================
★新型コロナ災、失敗したトランプと成功したアーダーン
首相の違い
全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
新型コロナウイルスの感染者数ですが、今日時点で288万
を超えています。
死者は、20万人を突破。
世界中で一番ひどいのが、アメリカです。
感染者数は、93万3000人。
(比較までに、日本は1万2829人。)
死者数は4月24日、5万人を突破しました。
(比較までに、日本の死者数は334人。)
世界一ひどい状況にあるアメリカですが、興味深い現象が
起こっています。
「外出制限を解除しろ!仕事をさせろ!」
というデモが起こっているのです。
BBCニュースJAPAN4月20日から。
<新型コロナウイルスの感染拡大防止のためのロックダウ
ン(都市封鎖)が続くアメリカで19日、死者が4万人を突
破した。
こうした中、経済活動の再開を求めるデモが国内各地で相
次いでいる。
週末にかけて、テキサス、イリノイ、フロリダ、テネシー
、インディアナ、アリゾナ、コロラド、モンタナ、ワシン
トンなどの各州で、様々な規模の集会が開かれた。>
アメリカは、感染者数も死者数も世界一多い。
それなのに、経済活動を再開したらどうなるでしょう?
そう、専門家でなくても、「さらなる感染爆発が起こるの
ではないか?」
と思いますね。
そして、専門家もそう懸念しています。
<経済活動の再開が早すぎれば、COVID-19(新型ウイルス
による感染症)が再び拡大する危険性があると、多くの専
門家が懸念している。>(同上)
では、どうして、「金稼がせろ!」デモが各地で起こって
いるのでしょうか?
理由の一つは、「トランプさん自身が煽っている」こと。
<ドナルド・トランプ米大統領は、抗議が起きている州を
「解放しろ」とツイートするなど、州政府に対する抗議行
動を支持する姿勢をみせている。>(同上)
<トランプ大統領(共和党)は17日、ミネソタ、ミシガン
、ヴァージニアの各州における規制は「厳しすぎる」と述
べ、厳格なロックダウン措置に対抗するデモを支持する姿
勢を見せた。>(同上)
これは、何でしょうか?
トランプさんは、どうも新型コロナウイルスを「深刻な脅
威」ととらえていない感じなのです。
皆さんご存知だと思いますが、トランプさんは、「気候変
動の脅威」についても懐疑的。
それで2019年11月、「パリ協定からの離脱」を宣言してい
ます。
「新型コロナウイルス」の感染拡大を抑えなければならな
い立場のトランプさん。
むしろ、積極的に経済活動再開の「旗振り役」をやってし
まっています。
▼成功と失敗の境界は、「優先順位」をつけられるか?
すでに、世界最悪の状態になっているアメリカ。
一方で、感染を抑えることに成功した国もあります。
たとえばニュージーランド。
感染者数は、1461人。
死者は、4月22日時点で14人。
この国の首相は、ジャシンダ・アーダーンさんという、39
歳の女性です。
首相に就任した後、出産して有名になりました。
「新型コロナ災への立派な対応」で、さらに有名になって
います。
ニュージーランドの現状についてBBCニュースJAPAN4月22日
を参考にしてみましょう。
<新型コロナウイルスの感染拡大防止策をめぐり、一部の
国や地域で緩和の動きが見られる中、感染拡大抑制の成功
例としてニュージーランドに、そしてジャシンダ・アーダ
ーン首相のリーダーシップに世界中から注目が集まってい
る。
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は20日、
新型コロナウイルスの市中感染を封じ込めるという「ほと
んどの国ができなかったことを達成した」と述べ、28日か
らロックダウン(都市封鎖)を段階的に緩和すると発表し
た。>
ニュージーランドは、都市封鎖を終え、「段階的緩和」に
むかっているのです。
ニュージーランドは2月初め時点で、中国全土からの入国
制限を開始していました。
(日本は、3月9日から。)
そして、3月半ば時点で、「全世界からの入国制限」(入
国後14日間隔離)を実施しました。
さらに3月後半、「都市封鎖」に踏み切った。
この時点で、ニュージーランドの感染者数は102人でした。
<「我々は厳しく、そしてこの早い段階から対応する。
(中略)国内の感染者数は102人だけだが、イタリアもか
つてはそうだった」と、アーダーン氏は当時、市民に語
った。
ロックダウン開始から2週間で、ニュージーランドでは新
しく確認される感染者の数が着実に減少した。
1人の感染者が他の人に移す割合は、1人未満だったと確認
されている。>(同上)
アーダーン首相、成功の秘密は、なんだったのでしょうか?
■経済より健康を優先
新型ウイルスの最新研究について、政府に助言し定例会見
にも参加してきたオークランド大学の准教授、スージー・
ワイルズ博士は、アーダーン氏や政府が明確に市民の健康
を最優先してきたことが、COVID-19対応の鍵だったと言う。
経済への影響を恐れて行動制限を遅らせたほかの国は現在、
はるかに困難な時期に突入している。>
(同上)
アーダーン首相が成功した秘密は、「経済より健康を優先
した」こと。
別の言葉で、
【 金より、命 を優先したこと 】
といえるでしょう。
ニュージーランドの成功例は、「金より命を最優先して、
厳格な措置を実施すれば、1か月で新型コロナウイルス
災を克服できる」ことを示しています。
一方、わが日本政府は、
国賓訪日を予定していた習近平への忖度、
中国人観光客の金欲しさ
で、入国制限が、ニュージーランドより40日ほど遅れて
しまいました。
この40日で感染経路がわからない人が続出し、今のよう
な事態になってしまった。
中国人観光客から小銭は得ることができましたが、
緊急事態宣言に至ったことで、超大金を失うことになっ
たのです。
そして、334人の命が失われました。
日本政府の話をしているのですが、私たち自身も、有事
の際は、自問してみる必要があるかもしれません。
「もっとも大切なものは何だろう?」
と。
●PS
この記事が面白かった方は、裏RPEにご登録ください。
完全無料です。↓
https://rpejournal.biz/p/r/LcJ9oxS8
新しく立ち上げたせいか、人によっては、「これは危険
サイトです!」と出るケースがあるようです。
その場合は、無理に登録せず、私の方にご連絡ください。
メルアドは、tjkitanojp●yahoo.co.jp です。
(●の部分に @ を入れてください。)
=======================================================
○メールマガジン「【裏】ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
Copyright (C)RPE JournalAll Rights Reserved. 358
======================================================= |