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【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.202
2024/4/18
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★世界がよくなる法則
全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
世界の現状を見ると、なかなか大変です。
2022年2月からウクライナーロシア戦争が続いている。
2023年10月から、イスラエルーハマス(黒幕イラン)戦争が続いている。
イランが史上初めてイスラエルを大規模攻撃し、戦争拡大の恐れがある。
中国が近い将来、台湾に侵攻する可能性がある。
などなど。
とはいえ、長期的に見れば、「世界はよくなっている」といえるでしょう。
考えてみてください。
「自由の国」アメリカでは、1862年に「奴隷解放宣言」が出されるまで、
合法的に黒人奴隷を所有することができたのです。
それが今では、黒人と白人のハーフが大統領になったり、
イギリスの王子と結婚しています。
100年前、アジアとアフリカは、ほとんど欧米列強の植民地でした。
しかし、第2次大戦後、植民地はどんどんなくなっていきました。
1990年代はじめ、普通の人は携帯電話を持っていませんでした。
今では、ほとんどの人がスマホを持っています。
なぜ、世界はよくなっていくのでしょうか?
パソコン、インターネット、スマホなど、技術革新でよくなることもあります。
それほど大規模でなくても、たとえばセルフレジが普及したり、
ロボットウェイターが普及したり、徐々に技術革新で世界は
よくなっていきます。
世界がよくなるほかの理由もあります。
たとえば「悲劇」を通して。
これは、何でしょうか?
たとえば、「電通社員過労自殺事件」を思い出してみましょう。
電通の新入社員高橋まつりさんは2015年12月、
24歳で過労自殺しました。
この悲劇が大きくクローズアップされることで、
日本の「働き方改革」が進んだのです。
たとえば、2019年の「池袋自動車暴走死傷事件」を
思い出してみましょう。
当時87歳だった飯塚幸三氏の暴走によって、
9人が負傷し、母子2人が死亡しました。
この事件がきっかけで、高齢者の免許更新基準が厳格化されました。
2018年は非常に暑い夏でした。
この年の夏、熱中症で緊急搬送された人の数は、
なんと92710人に達したのです。
そんな中、日本の学校のエアコン普及率は約5割であることが、
海外でも報じられました。
「信じられない!」と。
日本政府も「恥ずかしい!」と思ったのでしょう。
その後数年で、エアコン普及率は9割以上になりました。
もう一つ、「世界史的例」を挙げておきましょう。
今、「人種差別は悪だ」となっています。
とてもいいことです。
1930年代から40年代の前半、ナチスドイツは、
「ユダヤ民族絶滅政策」を行っていました。
「ホロコースト」です。
人類はこの悲劇を経て、「人種差別はやめましょう!」となったのです。
とはいえ「人種差別」は、その後も長く続きました。
たとえば南アフリカの「アパルトヘイト」が撤廃されたのは1994年のことです。
しかし、世界的に「人種差別はよくないよね」という
コンセンサスが形成されていなければ、
アパルトヘイトは永遠に続いていたことでしょう。
これらは、「悲劇を通して日本や世界がよくなった例」です。
本当は、「悲劇が起こる前に変えるべき」なのでしょう。
しかし、悲劇が起こらなければなかなか気づけないのが現実なのでしょう。
せめて悲劇の後でも変化が起きているのは救いです。
最悪なのは、悲劇が起こっても何も変わらないことです。
もう一つ、世界は「対立を通してよくなる」こともあります。
たとえば、冷戦時代、資本主義陣営と共産主義陣営が争っていました。
共産主義陣営は、資本主義陣営について、
「資本家が労働者を搾取している!」と非難していました。
「共産革命を起こされたらたまらん!」と考えた
資本主義陣営の国々や企業は、労働者への待遇を徐々に
改善させていったのです。
「共産主義」という脅威がなければ、資本主義国家が
労働環境を改善させることはなかったかもしれません。
現在は、アメリカと中国が、世界の国々をとりあっています。
昔のように植民地化することはできないため、
米中共に「相手国のメリットを考えたオファー」をする必要があります。
たとえば中国は、投資したり、融資したり。
これに対してアメリカは、
「中国から金を借りれば、返せなくなって、
港を奪われるぞ!」と警告しています。
そして、欧米や日本は、発展途上国に、
中国よりもっといい条件の融資や投資をオファーするのです。
中国の存在がなければ、欧米だって発展途上国で
悪事を続けていたかもしれません。
というわけで、世界は技術革新や悲劇、
対立を通して徐々によくなっていきます。
一時的に悪くなることもありますが、
長期的に見れば、どんどんよくなっていく。
これは、まさに「否定できない事実」といえるでしょう。
というわけで、世界と日本の未来を悲観するのはやめましょう。
むしろ、「私がよりよい未来を創ってやる!」という気概を持って、
歩んでいきましょう。
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