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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.206


                       2024/4/25


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日本における情報戦



全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。



今日は、本当に【裏メルマガ】的内容です。

日本における情報戦について。



▼ロシアメディアは、いつ変わった?


話は今から11年前になります。

2013年12月、ドミトリー・キセリョフという男が、
ロシアの国営「ロシア・シヴォードニャ」(ロシア・トゥデイ)
の代表取締役に就任しました。

@ドミトリー・キセリョフのウィキ(英語版)はこちら。

https://en.wikipedia.org/wiki/Dmitry_Kiselyov


彼は、「プーチンの頭脳」とか「プーチンのメンター」
と呼ばれる地政学者アレクサンドル・ドゥーギンの弟子的存在です。

@アレクサンドル・ドゥーギンのウィキ(日本語版)はこちら。

こちら

当時ロシアの国営メディアに務めていた人たちの証言によると、
「ここでロシアのメディアは変わった」そうです。

何が変わったのでしょうか?

国営メディアは、事実を伝えるジャーナリズムを捨て、
ロシア国民と世界を洗脳する「プロパガンダ機関」に変わったと。

この変化についていくことができず、
辞めた人たちがたくさんいました。


なぜ、ロシア国営メディアは、
洗脳を目的とするプロパガンダ機関に変わったのでしょうか?

キセリョフが国営メディアのトップになった後に
何が起こったのかを見れば、はっきりします。

彼が代表取締役になったのは2013年12月。

ロシアが、ウクライナからクリミアを奪ったのは2014年3月です。


プーチンは2008年8月にジョージアと戦争した直後、
ドイツのメディアから、「次はクリミアか?」と尋ねられました。

プーチンは、「クリミアは係争地ではない。
ロシアはウクライナの今日の領土を認めている」と断言。

クリミアを奪うことなどありえないと宣言していました。

@証拠動画はこちら。英語字幕がでますので、必ず確認してください。

https://www.youtube.com/watch?v=i_yhNBBvt6k

しかし、常にそうであるように、
それはウソだった。

ジョージア戦争の6年後に、
プーチンは「クリミアを奪え!」と指令を出したのです。


ロシアは、国際法に違反し、
ウクライナからクリミアを奪った。

ほぼ無血で、「サクッ」と領土を奪った。

「ハイブリッド戦争のお手本」ともいわれる、
鮮やかな【 戦術的大勝利 】でした。

このクリミア併合。

プーチンは、「欧米がウクライナでクーデターを起こしたから」
と説明していました。

確かに「直接的きっかけ」はそうだったのでしょう。

しかし、準備は、ずっと前から
進められていたに違いありません。

マイダン革命が起こったのは2014年2月23日。

クリミアとセヴァストーポリがウクライナからの
独立を宣言したのが3月11日。

ウクライナからの独立とロシアへの併合の
是非を問う住民投票が実施されたのは3月17日。

3月18日、ロシアはクリミア半島を併合しました。


マイダン革命から1カ月も経たないうちに、
ロシアは、すばやく、ほぼ無血でクリミアを奪った。

だから、「だいぶ前から準備していた」と私は考えます。

そして、ロシア国営メディアが「プロパガンダ機関」
になったことは、「クリミア併合」の4カ月前だったこと、
偶然とは思えません。

なぜか?

ロシアには、ウクライナからクリミアを奪う計画がある。

当然、世界中からバッシングされることは予想できたでしょう。

プーチンは、メディアを「プロパガンダ機関」
にすることで、二つの事を成し遂げたかったのでしょう。


一つは、ロシア国民を洗脳し、
「クリミア併合は正しい」と思わせること。

このことは、「完全に成功した」といえます。

圧倒的大多数のロシア国民が、クリミア併合を支持したからです。


もう一つは、全世界の民、特に国際世論をリードする
欧米の民を「ロシアより」に洗脳すること。

こちらも、かなりうまくいったと言えるでしょう。

なんといっても、トランプ大統領(当時)自身が、
「クリミア併合を肯定している」のですから。

『日経新聞』2018年6月15日。
『トランプ氏がロシアのクリミア併合を正当化? 
G7で発言と米報道 ホワイトハウスはコメントせず』



〈米ニュースサイト「バズフィード」は14日、
トランプ大統領がカナダで今月開かれた先進7カ国(G7)
首脳会議(サミット)で、ロシアによるウクライナ南部
クリミア半島併合を正当化する発言をしたと伝えた。
複数の外交筋の話としている。

トランプ氏は8日の夕食会で、クリミアでは主に
ロシア語が使われていることを理由にロシアに
属するとの認識を示したとされる。
また、「ウクライナは世界中で最も腐敗した国の一つだ」
と、他の首脳のウクライナへの支持を疑問視するような
発言をしたという。〉
ーー


「ロシアによるクリミア併合を肯定している」
トランプを、アメリカ国民の約半分が支持している。

これは、ロシアプロパガンダの
「ものすごい勝利」といえるでしょう。



▼日本における情報戦



さて、私は2022年2月24日にロシアがウクライナ侵攻を
開始するまで、「プーチンロシアとの和解」を主張してきました。

なぜでしょうか?

そう、中国による「反日統一共同戦線」を無力化するためです。

@必読証拠↓
https://rpejournal.com/rosianokoe.pdf

中国は、アメリカ、ロシア、韓国と「反日統一共同戦線」
を作ろうとしていた。

そのためには、日米分断、日ロ分断、日韓分断政策を行い、
日本を孤立して破滅させる。

この戦略を無力化するためには、日米関係改善、
日ロ関係改善、日韓関係改善が不可欠だったのです。

それで私は、「プーチンは北方領土を返す気が全くないが、
反日統一共同戦線を無力化するために、ロシアと和解すべき」
と主張しつづけていました。

そして、安倍総理は、日米関係、日ロ関係、日韓関係を改善させ、
見事に中国の「反日統一共同戦線戦略」を無力化することに
成功したのです。

それで私は、安倍元総理を「偉大な宰相」と尊敬しています。

2012年11月、中国がロシアと韓国に「反日統一共同戦線」創設を
呼びかけたことで、事実上の「日中戦争」がはじまりました。

2018年10月、アメリカのペンス副大統領は、
「反中演説」を行い、「米中覇権戦争」がスタートしたのです。


2012年にはじまった日中戦争は、米中覇権戦争に転化しました。

安倍総理は、日本を救ったのです。


さて、その後2020年、2021年は新型コロナパンデミックで、
世界が止まったような状態になりました。

そして、2022年2月、プーチンは、ウクライナ侵攻を開始したのです。


では、日本での情報戦は、どんな感じになっているのでしょうか?

ロシアがクリミアを併合した2014年から活発化しています。

どのようなプロパガンダが行われているのでしょうか?

皆さんご存知ですね。


「世界では、悪のグローバリストと
善のナショナリストの戦いが行われている」

「プーチンは、悪のグローバリストと戦う
善のナショナリストの英雄だ!」


というプロパガンダです。

ウクライナ侵攻開始後は、


・ロシアは悪くない。
悪いのは約束を破ってNATO拡大をつづけた
アメリカだ!

・ロシアは悪くない。
悪いのはルガンスク、ドネツクのロシア系住民を
迫害しているウクライナだ!」

・ロシアは悪くない。
悪いのは「ミンスク2合意」を
守らなったウクライナだ!」


などなど。

これらは、「一理ある」ともいえますが、
プーチン・ロシアが「国際法違反の侵略を
行っていること」は誰も否定できません。

そして、ロシアのプロパガンダは
「都合の悪い部分を言わない」という
特徴があります。

たとえば、


・ロシアは悪くない。
悪いのはルガンスク、ドネツクのロシア系住民を
迫害しているウクライナだ!」

・ロシアは悪くない。
悪いのは「ミンスク2合意」を守らなった
ウクライナだ!」


これは「一理ある」といえます。

これらの悲劇が起こったのは、
「ウクライナ内戦」が起こったからです。

では、なぜウクライナ内戦は起こったのでしょうか?

2014年4月に、ウクライナルガンスク州、
ドネツク州の親ロシア派が「独立宣言」したからです。

皆さんどうですか?

どこかの国で、どこかの自治体が
勝手に独立宣言したら、普通内戦になります。

ロシア連邦からチェチェン共和国が独立を宣言した。

エリツィンやプーチンは、
「がんばって独立してください!」とはいいませんでした。

第1次、第2次チェチェン戦争によって、
チェチェン独立派を殺しまくって、独立を阻止しました。

だから、ルガンスク、ドネツクの親ロシア派が
独立宣言したとき、内戦がはじまったのは、
「ごく普通の事」といえるでしょう。

内戦のきっかけは、親ロシア派の「独立宣言」でした。

そして、親ロシア派は、
「プーチンの命令で」独立宣言したのです。

今刑務所にいるイーゴリ・ギルキンは、
「自分がこの戦争を始めた」と告白しています。

確かに、ウクライナ軍は、ルガンスク、
ドネツクで残虐なことをしたでしょう。

しかし、その原因を作ったのは、
親ロシア派に独立宣言させ、
内戦の原因をつくったプーチン自身なのです。


ロシアのプロパガンダは、
この最重要の事実を隠し、
アメリカとウクライナばかりを非難しています。

まあ、それがプロパガンダというものです。

ですが、「皆さんは騙されないでください」と言いたいです。


そして、プロパガンダの核心部分。


「世界では、悪のグローバリストと
善のナショナリストの戦いが行われている」

「プーチンは、悪のグローバリストと
戦う善のナショナリストの英雄だ!」


これはどうなのでしょうか?

プーチンがナショナリストで、
グローバリストと戦っているのは、本当です。

実際私の過去本を読めば、


プーチン vs ホドルコフスキー、ジェイコブ・ロスチャイルド

プーチン vs ジョージ・ソロス


などの話が、山盛り証拠つきで登場します。

だから、ナショナリスト・プーチンが、
グローバリストと戦っているのは、その通りでしょう。

違うのは、プーチンは善 という部分です。

実際は、「善のプーチン vs 悪のグローバリスト」
ではありません。

「悪のプーチン vs 悪のグローバリスト」なのです。

なぜか?

善であるはずのプーチンが支配するロシアには、
人権、言論・信教・結社の自由、民主主義などは、
一切ありません。

「反戦」のプラカードを持って町を歩けば逮捕されます。

ある中学生が、学校で反戦の絵を描いたら、
お父さんが逮捕されてしまった。

ある女性は、娘が作ってくれた花飾りを
バッグにつけていたら逮捕され、罰金を払う羽目になった。

その理由は、「花飾りの花が黄色と青で、
ウクライナ国旗を連想させるから」というのです。


本当に冗談のような、ディストピア映画のような
バカバカしいことがロシアでは起こっています。

それでも、「プーチンは善のナショナリスト」と
主張する人には、何種類かいるでしょう。


・クレムリンのエージェント

・クレムリンのエージェントのことを信じてしまい、
他の人たちを「何も知らない情報弱者」と確信している人

・アメリカのメディアに不信をもっていて、
クレムリン情報ピラミッドを信じてしまった人


私は、毎日クレムリン情報ピラミッドに接しています。

それで、「これらの人たち」をすぐ見分けることができます。

しかし、彼らは「クレムリンのプロパガンダと
100%同じ主張をしている」こと以外証拠はないので、
実名は書かないでおきましょう。


皆さんに知っておいて欲しいのは、

ロシアによるウクライナ侵攻は、
「アメリカとウクライナが悪い」と主張しているのは、
「クレムリン発のプロパガンダだ」と言うことです。

また、「悪のグローバリストと戦うプーチンは、
善なるナショナリストの英雄だ」というのも、
出所はクレムリンであることを知っておいてください。


考えてみてください。

「これらの情報で得をするのは、誰ですか?」と。

得をする人物は、「あの『英雄』一人」しかいないのです。



▼事実はどこに?



皆さんご存知のように日本のメディアは、
「米英情報ピラミッド」に組み込まれています。

一定数の国民は、「俺たちは米英情報ピラミッドに
洗脳されている!」と気がつきました。

「本当のことを知りたい!」と考えた彼らは、
米英情報ピラミッドと正反対の情報源に飛びつきました。

それが「クレムリン情報ピラミッド」だったのです。

かくして彼らは、「米英情報ピラミッド」に
洗脳されることはなくなりましたが、
今度は「クレムリン情報ピラミッド」に
洗脳されてしまったのです。


どうすればいいのでしょうか?

私は、「すべての情報ピラミッドを超越すること」
を勧めています。

つまり、「米英情報ピラミッド」「欧州情報ピラミッド」
「クレムリン情報ピラミッド」「中共情報ピラミッド」
「イスラム情報ピラミッド」全部を見るのです。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・時間がなくて無理です!」


ですよね。

そこで、すべての情報ピラミッドを超越している
情報をチェックすることをお勧めします。

ロシアとプーチンの事実については、


◆『プーチンはすでに、戦略的には負けている
~ 戦術的勝利が戦略的敗北に変わるとき 』

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を是非ご一読ください。

(@そして、アマゾンにレビューしていただけると、とてもうれしいです。)


この本のベースは、「米英情報ピラミッド」でも
「クレムリン情報ピラミッド」でもありません。

両方見て、よく分析した結果書かれたものです。


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