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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.221


                       2024/5/23


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★防衛増税は必要か?



全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。



まず、お知らせから。

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なにとぞよろしくお願いいたします。



では、本題。

私が28年住んだモスクワから日本に完全帰国してから、
今年で6年目になります。

時の流れは速いです。

帰国時小2だった娘は、現在中2。

幼稚園年少だった息子は、小4になりました。


戻ってきて、日本は「世界一住みやすい」と感じています。

日本に住んでいる外国人が、口をそろえて言う
日本最大のよさは「安全」です。

たとえば、モスクワでは、だいたい12歳ぐらいまで、
親が学校に送り迎えします。

理由はもちろん「危ないから」。

日本に戻ってきて、娘が小学校に入り、
しばらく妻が送り迎えしていました。

そのうち娘が、
「みんな一人で行ってるからもう送らなくていいよ」
といいました。

はじめて娘が一人で小学校に向かうのを見守りながら、
言葉で言い表せない恐怖がわきあがってきたのを、
今でもはっきりと覚えています。


ちなみに妻は、日本に来てから
スマホや財布などをなくしたことがあります。

いずれの場合も戻ってきました。

妻は、「日本には泥棒は存在しないから、
自転車のカギをかける必要ない!」と
変な信念を持っていました。

ところが、ある時盗まれてしまいました。

彼女の日本信仰が崩れそうになった時、
「あなたの自転車がみつかりました」
という電話がかかってきました。

それで日本信仰が復活し、念のため自転車のカギもかけるようになりました。


日本は、本当にすばらしい国です。


とはいえ、皆さんもご存知のように、
日本が理想の国かというとそうではありません。

私は、帰国した後、
「日本には三つの大問題がある」と思いました。


・残酷な労働環境、特に長時間労働

・日本が重税国家であること、
さらに税金を上げ続けていること

・少子化問題


労働環境については、
「働き方改革」と「新型コロナによるテレワーク普及」で、
ずいぶんマシになりました。

しかし、「日本が重税国家であること、
さらに税金を上げ続けていること」は、
本当に深刻です。

日本政府は、「このままでは日本の財政は破綻する!」
などと言い、税金を上げ続けてきました。

税金を上げると、実質所得が減り、
結果消費が減り、売る側では生産が減ります。

要するに、増税によって経済が成長しなくなります。

そのため、「増税しても増税しても、
望むほど税収は伸びない」ということになってしまう。

安倍元総理が回顧録で語っておられるように、
「暗黒の30年」の真の理由は、
財務省に日本政府が操られ、
増税を繰り返してきたからなのです。

岸田政権、最大の問題は、「裏金問題」ではありません。

岸田政権が、「増税路線」であることです。


「いや!一人4万円の定額減税をするだろう!」


そんなクレームがきそうです。

もちろん、一人4万円の定額減税、
しないよりはした方がいいでしょう。

ですが、「長い増税リストの中で、一つ減税」しても、
「どうなのかな」という感じです。

『税理士法人プライムタックス』のHPに
長い増税リストが載っていました。

転載してみましょう。


〈・たばこ増税
本体は健康の観点からたばこの消費を抑制するため
のものだが、防衛費の財源として24年より増税予定。


・所得増税
防衛費を確保するため24年から増税は決定しているが、
定額減税が所得税から行われるため矛盾するとして
時期検討中。


・復興特別所得税の延長
3.11復興目的に37年までの予定だが、
防衛費増のために14~20年延長が議論中。


・給与所得控除の廃止
現行は30%控除されているが3%に減率することで
サラリーマンには大打撃の可能性。


・配偶者控除の廃止
扶養控除のない15歳以下との公平性確保と女性の
「年収の壁」問題解消のために廃止を検討。


・生命保険料控除の廃止
生命保険は元本よりも大きなお金がもらえる
可能性がある点が個人投資と変わらないとされ、
見直しを検討中。


・退職金の非課税枠を廃止
「勤続年数×40万円」の控除が認められていたが、
雇用の流動性を妨げているとして廃止が検討されている。


・扶養控除の縮小
扶養控除の縮小が見直される見込み。
一方、児童手当を高校生まで支給対象に広げ
控除縮小とのバランスが問われている。


・法人増税
防衛費確保のため付加税方式で4%~4.5%予定。
中小企業などへの配慮として、上乗せ分を計算する際、
法人税額から「所得が2400万円の相当の税額」控除予定。


・法人税の控除縮小
賃上げによる税優遇措置で3%以上賃上げした大企業の
控除縮小案が中小企業への優遇と同時に検討されている。
大企業には実質的に増税になる可能性がある。


・後期高齢者医療保険の負担増
出産育児一時金の一部を75歳以上も負担するようになる。
段階的に負担対象者を増やす方針で、24年4月からは
年収211万円超の人を対象に月平均430円を徴収。
25年4月からは年収153万円超の人を対象に付き
平均430円を徴収。


・生前贈与の持ち戻し期間延長
生前贈与制度に関するもので死亡の3年前から7年前に
課税対象期間を延長する。


・結婚・子育て資金の贈与特例廃止
1千万円以下は非課税だった結婚・子育て資金の
一括贈与特例を廃止。


・教育資金一括贈与廃止
教育資金の一括贈与が26年3月末で廃止予定。


・介護保険料負担増
1割負担から2割負担に移行する対象者を
大幅に拡大する見込み。


・国民年金納付期間延長
少子化よる財源不足の補填策として保険老の納付期間を
5年延長して65歳までとする。


・公的医療保険の上乗せ
「異次元の少子化対策」として財源を探し回った結果、
歳出改革後の足りない分を「支援金制度」という名目で
国民一人約500円程度の増額が検討されている。


・森林環境税の創設
23年度に終了予定の特別復興住民税に替わり、
森林環境贈与税とは同額の森林環境税が新設される。


・厚生年金支給減額
現行で平均14万6000えん支給されている厚生年金額を見直す。
保険料負担は重くなる一方、受給額が減額される。


・走行距離課税の新設
車の走行距離に合わせて課税しようというもの。
しかし従来の車とハイブリッド、電気自動車等の問題や
カーシェアリングなど課題は残る。


・ケアプランの有料化
介護保険サービスを受ける際の
ケアプラン(介護計画)費用の有料化を検討中。〉

出所はこちら↓
https://www.primecg.co.jp/20240116125010
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税金が高いことは、家計を圧迫します。

そして、「これからますます税金があがっていく」
という展望は、消費マインドを減退させます。


日本は、1990年から2020年まで「暗黒の30年」を
過ごしてきました。

岸田さんの「増税路線」がつづけば、
「暗黒の40年」は確実でしょう。

皆さん、黙ってたら、日本政府は、
永遠に増税を続けるでしょう。

日本国民は、眠っている羊のようにおとなしいので、
日本政府はやりたい放題ですね。

これ、他の国だったら、少なくとも大規模デモ、
最悪クーデターが起こってもおかしくないレベルの話です。

皆さん、上の「長い増税リスト」を見て、
是非岸田政権に直接抗議してください。

抗議は、以下のページからすることができます。

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

「今までいつも自民党に投票してきましたが、
増税路線がひどすぎるので、路線修正がなければ
自民党以外に投票します」

などと書けば、かなり効果があると思います。


「雨だれ石を穿つ」です。


皆さん、あきらめずに、働きかけをつづけていきましょう。

ところで、メルマガの読者さんに
中里先生という大天才がいます。

私は、「この方が総理の右腕になれば、
日本は数年で復活するのに」と毎回思っています。

そんな中里先生が、防衛費増と防衛増税に関するレポートを
書いてくださいました。

皆さん、


・防衛費を増やす必要はあるのか?ないのか?

・防衛費を増やすために、増税をすべきなのか?

・増税をしなければ、財源はどこで確保するのか?


など、私が尊敬する天才中里先生のレポートを是非ご一読ください。


◆防衛国債による防衛費確保

詳細は↓
https://note.com/terrace_ifa/n/nacaad256ccc6




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