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     【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.230


                       2024/6/15


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ソ連・ロシアのことを知り尽くした人の北野最新刊書評



全世界の裏RPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。


映像作家で東京シネマ新社の代表取締役である岡田一男先生は、
1961年から1966年まで、モスクワの全ソ連国立映画大学
(VGIK/現全ロシア国立映画大学)で学ばれました。

私がモスクワに留学したのは1990年ですので、
その約30年前のソ連を知っている、超ソ連通、
ロシア通です。

そんな岡田先生が、北野の最新刊、


◆『プーチンはすでに、戦略的には負けている
- 戦術的勝利が戦略的敗北に変わるとき -』

詳細は↓
https://amzn.to/4aYChI9


の書評を送ってくださいました。

熟読してくださったことが一目でわかる
すばらしい書評でした。

許可を得て、ここでご紹介させていただきます。



〈北野幸伯著 『プーチンはすでに、戦略的には負けている ~  戦術的勝利が戦略的敗北に変わるとき 』 を読むと、著者がプーチンのまさに始まりから今日までを丹念に内外の公開情報を中心に追って、戦術家プーチンの失敗から、その明日と言うか、将来の悲惨な状況を大胆に予想している。

ここで思い当たるのが、ロシアあるいは旧ソ連のアカデミズムが帝政ロシア以来の伝統で、全てを歴史から学ばせるという伝統を著者が、引継いでいられることだ。

著者は、ソ連崩壊期にモスクワのロシア高等教育省と外務省が共管するモスクワ国際関係学院(MGIMO)で学ばれた。

MGIMOはロシアで最高の外国語教育施設でもあるが、その肝は国益を守って最前線に立つ外交官の養成施設であり、大部分の卒業生は、外務省の官僚となるか、いわゆるシロビキ(軍治安機関)の国際問題専門家に採用される。

筆者は、著者より四半世紀早く、ロシア高等教育省と国家映画委員会が共管する全ソ国立映画学院(VGIK)で映画制作を学んだが、大部分のカリキュラムが、その科目を歴史として学ばせるものだった。

それぞれの課題に関し、その誕生から今日に至る主要な事項を徹底的に頭に叩き込み、その上で、何物にも支配されない自由な思考で分析を加えて、明日への方針を立てる。

筆者が、感謝しているのは、「何物にも支配されない自由な思考の大切さ」を、全体主義国家体制の中で教えてくれた恩師に恵まれたことである。

というのも旧ソ連で、歴史に学ばせることが、それほど効果を挙げなかったのは、余りに酷い歴史の書換えが横行して、若者たちの思考を鈍らせてもいたからである。

現代は、目先のポピュリズムに毒された著者の指摘する黒化勢力勃興、勢力伸長の時代ではあるが、戦略的思考で明日に備えることが焦眉の課題となっている。

ロシアは嫌でも拒むことの出来ない隣国だが、重要なのは、我々自身が、自国日本の未来への選択を踏み誤らないことなのである。

岡田一男 映像作家 〉
ーー


ここから北野です。

最後の一文、


〈重要なのは、我々自身が、自国日本の
未来への選択を踏み誤らないことなのである。〉


は、とても重要で、決して忘れてはいけない
ことだと思いました。

岡田先生、ありがとうございました!





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