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【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.39
2020/7/24
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★断交へむかう、アメリカと中国
全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
トランプさんには、非常に大きな特性があります。
なんでしょうか?
【 有言実行 】
です。
これ、とても大きなことですね。
普通の政治家さんて、申し訳ないですが、【有言不実行】
ですよね?
ところが、トランプさんは、【 有言実行 】なのです。
たとえば、
彼は「TPPやめる!」といい、実際にやめました。
「イラン核合意から抜ける!」といい、実際ぬけました。
「パリ協定から抜ける!」といい、実際にぬけました。
最近では、「WHOやめる!」といい、実際やめました。
これほどまでに「有言実行」なリーダーは、
歴史上「稀」といっても過言ではないでしょう。
「有言実行」は、普通「すばらしい性質」とされています。
「うそをつかない」ということですから。
しかし、「いつもすばらしい」ということではありません。
「有言実行」が「すばらしい」のは、
「発した言葉がいい時」
に限られます。
どういうことでしょうか?
たとえば、夫婦喧嘩した。
ダンナさんがブチ切れて、
「ざけんなよてめえ、ぶっ殺してやる!」と叫んだ。
これ、言うだけでも、かなり問題です。
しかし、「有言実行」で、ホントに殺したら殺人罪です。
この例からわかること。
「有言実行 = 発した言葉が良い時だけ、良い性質になる」
トランプさんは、どうでしょう?
もちろん評価は、わかれることでしょう。
しかし、一般的に、
・パリ協定からの離脱
・イラン核合意からの離脱
・エルサレムをイスラエルの首都と、認定したこと
・WHOからの離脱
などは、「悪い決断」とされています。
そんな「有言実行男」のトランプさん。
彼は5月、「中国と国交断絶する」可能性に言及しました。
<トランプ氏、中国との断交示唆 習氏と対話望まず
2020/05/15 03:50
【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大
統領は14日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的
な大流行)への中国の対応を批判する姿勢を一段と強め、
中国の習近平(Xi Jinping)国家主席との対話はもはや望ん
でいないとし、
中国との国交断絶の可能性にも言及した。>
~~~~~~~~~~~~~~~~
これ、トランプさん以外がいえば、「ただのジョークだ」
と思えるでしょう。
しかし、「有言実行男」の彼がいうと、「マジかも」と思えます。
そして、7月22日、実際に彼は、
「断交への第一歩」を踏み出したのです。
<米、中国領事館の閉鎖要求 中国は対抗措置の構え
産経新聞 7/22(水) 20:06配信
【ワシントン=黒瀬悦成、北京=三塚聖平】米国務省のオ
ルタガス報道官は22日の声明で、中国政府に対して南部
ヒューストンの中国総領事館を閉鎖するよう要求したこと
を明らかにした。>
なぜ?
<オルタガス氏は閉鎖要求について「米国の知的財産と
米国民の個人情報を守るため」と説明した。
また、別の国務省報道官は「中国は長年にわたり米政府当
局者や米国民に対し、米全土で大規模なスパイ活動や情報
工作を展開してきた」と指摘し、閉鎖要求は中国の違法な
工作活動に対する事実上の制裁措置であるとの認識を示し
た。 >
「中国が米全土で大規模なスパイ活動、情報工作を
展開してきたことへの制裁措置」
だそうです。
アメリカ政府は、「72時間で閉鎖しろ!」と要求しています。
一方、中国は、
「武漢のアメリカ総領事館」「香港のアメリカ総領事館」を
閉鎖する可能性を示唆しています。
そして、それは「大いにあり得ること」でしょう。
▼なぜ今?
中国がスパイ活動や情報工作をしていることは、
間違いないでしょう。
というか、大使館、領事館関係者が、
「スパイ兼任」というのは、「世界の常識」です。
アメリカ大使館だって、
中国でスパイ活動していることでしょう。
意外に思われるかもしれませんが、
日本だってやってるはずです。
ですが、両国関係が悪くないときは、ある程度黙認している。
なにかのきっかけで関係が悪くなると、
一気に摘発されたりします。
今回の件、中国がスパイ活動をしているのは間違いない。
ですが、それは昔からず~~~とやっていること。
「今」、総領事館が閉鎖される理由は、トランプ政権に
「中国との関係をさらに悪化させたい!」
という強い意志があるからでしょう。
中国側が主張するように、
その動機は「大統領選挙」なのかもしれません。
アメリカは、新型コロナの感染者数が400万人を超えて、
ダントツ世界一。
死者数は、14万人を超えて、これも世界一。
普通、国民は「大統領のせいだ!」と考えるでしょう。
日本人なら、「安倍さんのせいで」と考えます。
トランプは困るので、「チャイナウイルス」という用語を連発し、
国民が「中国のせいで!」と考えるように誘導します。
(もちろん「中国のせい」というのは、事実でもあります。)
ですが、「大統領選挙だけ」が理由なのではありません。
2018年、米中覇権戦争がはじまった。
今回の措置も、「その一環」であることは間違いありません。
では、複数ある中国総領事館の中で、
なぜ最初にヒューストンがターゲットになったのでしょうか?
<ヒューストンは米国の代表的技術都市で、医学と製薬分
野の研究が活発に行われている。米航空宇宙局(NASA)
のジョンソン宇宙センターもヒューストンにある。 >
(中央日報 7月23日)
▼これからどうなる?
トランプは、他の中国総領事館を閉鎖する可能性に
言及しています。
<トランプ米大統領は米国内の中国総領事館追加閉鎖の
可能性を排除しなかった。
トランプ大統領は22日にホワイトハウスで開いた新型コ
ロナウイルス関連会見で、ヒューストンの中国総領事館以
外に追加閉鎖の可能性を問う質問に、「いつでも可能だ。
見守ろう」と話した。 >
(中央日報 7月23日)
これも、トランプさんなら「大いにあり得る」でしょう。
そして中国も、同じように報復します。
ですが、
負ける可能性が高い中国は、アメリカとの「全面対決」を
望まないでしょう。
彼らは今、親中のバイデンさんが勝利することを心から願
っているはずです。
いえ、願うだけでなく、そのためにいろいろ工作している
に違いありません。
●PS
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