【裏】RPEJournal=======================================
【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.73
2021/2/13
=======================================================
★バイデン政権の対中戦略は「リアリズムベース」
全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
バイデン政権になって、もっとも懸念されるのは、
彼が中国と和解し、
結果共産党の一党独裁国家中国が、
「世界覇権国」になってしまうことです。
これについて私は、
・バイデンは確かに親中(次男ハンターが、
中国から大金を受け取っていた)
・だが、三つの理由で、米中覇権戦争は終わらない
・一つ目の理由は、米中覇権戦争がはじまったのは、
事実上2015年3月の「AIIB事件」直後だった。
この時の副大統領は、バイデンだった。
・二つ目の理由は、「中国共産党打倒」がアメリカの「国論」
になっていること。
共和党だけでなく民主党議員もほとんど全員、「香港問題」
「ウイグル問題」で中国に制裁を科すことを支持している。
・三つ目の理由は、かつて親中だったグローバリストたちが、
「ナショナリスト」習近平を嫌っている。
実際は、どうなのでしょうか?
予想通りというか、バイデンさん自身は、中国打倒に気合が
入っていないようです。
彼は2月1日、「チャイナウイルス」という呼称を禁止する
大統領令を出しました。
トランプさんは、毎日毎日「チャイナウイルス」といいつづけ、
「中国に責任を取らせる!」と断言していました。
それで、全世界で中国のイメージが、
急速に悪化していたのです。
参照↓
https://forbesjapan.com/articles/detail/37437
バイデンさんは、「チャイナウイルス」という言葉の使用を
禁じることで、明らかに中国を救いました。
やはり、対中国では「ソフトだな」という印象です。
しかし、ブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官、
キャンベル・インド太平洋調整官
は、かなり反中です。
そして、「戦略的に考えている」と思います。
インド太平洋調整官になったキャンベルさんは、
バイデン政権がやるべきこととして、以下の三つを挙げています。
@出所↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/c91ffbb19ee8dce7aa33d7ccfe335a45342963d6
<第1に力の均衡の必要性、
第2に地域の諸国が正当と認める秩序の必要性、
第3にこれらの2つに挑戦する中国に対処するための
同盟国・パートナーとの連合の必要性。>
1は、「バランスオブパワーを回復せよ」ということで
すね。
東アジアは現在、中国がダントツで強くなりすぎて、
「バランスオブパワー」が崩れています。
これを回復させなければならない。
どうやって?
3番目の、「中国に対処するための同盟国、
パートナーとの連合の必要性」です。
キャンベルさんは、G7をD10にすることを提案しています。
D10の「D」は、デモクラシーの「D」です。
具体的には、G7にインド、オーストラリア、韓国を加える。
さらに、日本、アメリカ、オーストラリア、
インドのクアッドを拡大し、
イギリス、フランス、ドイツ、アセアン10か国を加える
とを提案している。
つまりキャンベルさんの戦略は、こうです。
・東アジアは、中国が強くなりすぎて、
「バランスオブパワー」が崩れている。
・これを回復させなければならない。
・そのために、G7をD10に、クアッドに
英仏独アセアンを加える
・こうやって同盟を拡大強化することで、
バランスオブパワーを回復させる
これは、明らかに「リアリスト的大戦略」といえるでしょう。
▼歴史に見る「リアリスト大戦略」
少し、歴史を振り返ってみましょう。
20世紀のはじめ、イギリスは「欧州最強国家」ではなく
なっていました。
日本が2010年「アジア最強」の地位を中国に奪われたように、
イギリスもドイツ帝国に「欧州最強」の地位を奪われたのです。
賢明なイギリスは、「仲間を増やす」ことで
対抗することにしました。
イギリスは、ドイツに勝つために、三つの敵と和解します。
一国目は、フランス、
二国目は、ロシア、
三国目は、アメリカ
さらに、日英同盟を結んだ。
イギリスは、日本、アメリカ、ロシア、フランスとの同盟
によって、
ドイツ帝国に勝つことができたのです。
第2次大戦が終わった後。
アメリカは、
西欧(西ドイツ、フランス、イギリスなど)
東アジア(日本、韓国など)
中東(サウジアラビア、イスラエルなど)
三つの重要地域を味方につけることで、ソ連を封じこめました。
歴史的に、「リアリズム戦略」「同盟戦略」「封じ込め戦略」は
機能してきました。
トランプさんは、直接的な殴り合いという感じだった。
しかし、バイデン政権は、戦略によって中国を封じ込め、
追い詰めていきます。
(バイデン政権といっても、主導するのは、
バイデンはなく側近でしょうが。)
アメリカ一国で殴るより、
皆で囲んで封じ込める方が効果的です。
●PS
この記事が面白かった方は、裏RPEにご登録ください。
完全無料です。↓
https://rpejournal.biz/p/r/LcJ9oxS8
人によっては、
「これは危険サイトです!」と出るケースがあるようです。
その場合は、無理に登録せず、私の方にご連絡ください。
メルアドは、tjkitanojp●yahoo.co.jp です。
(●の部分に @ を入れてください。)、
=======================================================
○メールマガジン「【裏】ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
Copyright (C)RPE JournalAll Rights Reserved. 358
====================================================== |