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【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.75
2021/2/17
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★中国、衝撃のデータ。出生数が1年で●●%減少!?
全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
私の一冊目の本は、「ボロボロになった覇権国家」といいます。
2005年に出版されました。
「ボロボロになった覇権国家」とは、
いうまでもなくアメリカのこと。
これは、その名のとおり、「アメリカ没落本」。
「アメリカ発の危機が起こって、アメリカが没落する」と
いう内容でした。
あまり本気にされませんでしたが、
08年に「100年に1度の危機」が起こり、
「アメリカ一極時代」は終わりました。
一方、中国については、「08~10年の危機を短期間で克服
して成長をつづける」と予測していました。
実際、そうなりました。
しかし、永遠に成長をつづけるとは予測せず、
「成長は2020年まで」と書いています。
中国は、08年からの危機を短期間で克服し、
「米中二極時代」が到来しました。
ですが、2010年代を通して、成長は鈍化していった。
たとえば2010年のGDP成長率は、10.56%。
2019年は、6.11%。
この期間、ほぼ一貫して右肩下がりで、成長率が鈍化しています。
そして、2020年は、2.3%の成長となりました。
(IMFではなく、中国国家統計局のデータ。
「中国国家統計局のデータは信用できない!」といわれま
すが、他にデータがないので、これを使います。)
成長率が大幅に下がったのは、いうまでもなく
「新型コロナ」の影響です。
ですが、新型コロナがなくても、
成長率の鈍化はつづいていたのです。
私が16年前に予想した通り、中国は「低成長時代」に
移行しつつあるようです。
これから中国経済は、どうなっていくのでしょうか?
これは、90年代の日本のような状況になっていくでしょう。
なぜ?
一番目の理由は、「国家ライフサイクル」です。
中国は、2020年までは「成長期」。
2020年代は「成熟期」に突入します。
二番目の理由は、「少子化」「人口減少」です。
中国は1979年から2015年まで「一人っ子政策」をしていました。
それで、近い将来日本以上に急激な人口減が起こることは
間違いないでしょう。
▼衝撃のデータ、出生数が1年で●●%減少
「一人っ子政策」は、2015年に廃止されました。
その後、出生率は増加したのでしょうか?
全然増加していないようです。
<中国、20年の出生数15%減 住宅費や養育費が負担に
2/17(水) 6:17配信
【北京共同】中国公安省は17日までに、2020年の新生児数
が前年比15%減の1003万5千人だったと発表した。
4年連続の減少。中国メディアは、住宅費や養育費の負担
などが減少の原因と分析している。 >
前年比15%減というのは衝撃ですが・・・。
実をいうと、この数字すら間違っているようなのです。
こちらをごらんください。
日経新聞2020年1月17日。
<中国国家統計局が17日発表した2019年の出生数は、
前年比58万人減の1465万人だった。
3年連続の減少で、大躍進政策で多くの餓死者を
出した1961年以来、58年ぶりの低水準となった。>
2019年の出生数が1465万人だった。
これが、2020年には、1003万人になった。
なんでこれで、「前年比15%減」なのかわかりません。
正確には、「32%減少」でしょう。
これについて「現代ビジネス」2月16日で、
石平さんが書いています。
<実は、中国の出生数の減少は何も2020年だけの話ではない。
この数年間においてずっと続いている傾向である。
「1人っ子政策」が廃止されたのは2015年のことであ
るが、その翌年の2016年以来の毎年の出生数の推移は
以下のものである。
2016年:1786万人
2017年:1725万人
2018年:1523万人
2019年:1465万人
つまり、「1人っ子政策」廃止した後も、翌年の2016年
から19年までの4年間、中国の出生数は一貫して
大幅減する傾向にあるのである。
その中でも2018年の場合、コロナ禍のような大きな災害
のない普通の年であっても、出生数は前年より200万人
以上も急減して、減少率は12%近くという驚異的なもの
であった。
そして、2016年から2020年までの5年間における出生数
の減少率はなんと44%減。
戦乱でもない平和の時代では、それはほとんどありえない
ような、まさに「断崖絶壁式の急落」であろう。>
問題は、「なぜ減っているのか?」ですね。
2020年というと、「新型コロナのせいで」と考えたくなります。
しかし、「妊娠期間」があることを考えると、
「新型コロナの影響」は、むしろ2021年に
でてくるような気がしますが。
筆者の石平さんは、「出生数激減の理由」について、
以下の4つを挙げています。
<2020年の出生数激減に影響した「コロナ禍」という要因
以外に、中国のメデイアや専門家たちが共通して挙げた
諸要因には、
1.晩婚と結婚率の低減、
2.生活様式・人生観の多様化による生育意欲の低減、
3.教育費などの「子育てコストの」の高騰、
そして、
4.住宅コストの高騰などがある。>
1~3は、日本や他の先進国でも同様ですね。
「中国が成長期を終えて、成熟期に入ってきている」こ
との一つの証拠なのかなと思います。
4について石平さんは、「中国特有の問題」としています。
ですが、この4つで、5年で44%減を説明できるでしょうか?
石平さんはいいます。
<結局、2016年から2020年までの5年間、中国の毎年の
出生数が44%も激減したという、このあまりにも重大
にして怪異なる現象が起きている原因はやはり不明の
ままであって、中国国内の専門家たちもよく分かって
いない。>(同上)
このような状況がつづくと、どうなるのでしょうか?
<出生数の継続的低減が引き起こす人口問題の発生が、
いずれ最大のネックとなって中国の経済成長を終焉させ、
そしてこの巨大国の世界的覇権樹立の最大の阻害要因と
なってくる>(同上)
これは、間違いないでしょう。
人口が激減する中で、経済成長をつづけるのは、
不可能ではないですが、困難です。
中国は、現状日本にとって最大の脅威です。
そして、「これからは中国の時代だ」と主張する人たちも
たくさんいます。
ですが、中国は、世界的覇権国家にはなれないでしょう。
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